信用情報の開示のしかたと報告書の見かた

金融機関からお金を借り入れする場合に、よくブラックリストの存在が取りざたされます。

個人の信用情報は、審査の重要な基準になっています。果たしてどんなことを登録されているのでしょうか。

気になりますよね。今回は個人信用情報機関を取り上げます。そして借り手側は審査する側の信用情報を見ることが可能なのか?

情報の開示のしかたについても書きました。ご覧ください。

個人信用情報は3つある

個人信用情報は銀行系について詳しいKSC(全国銀行協会)、消費者金融などに詳しいJICC(日本信用情報機構)、信販系、クレジットカード会社に詳しいCICが存在しています。

KSC(全国銀行個人信用情報センター)の個人信用情報の開示方法

全国銀行個人信用情報センターの登録情報の開示はセンターへ郵送のみで受け付けている。

必要書類: 登録情報開示申込書に必要事項を記入しセンターまで郵送するその受領した登録情報開示申込書をもとに開示報告書が作成される。

センターから本人限定受取郵便、または簡易書留で、通常1週間から10日ほどで送られています。

申し込みをできるのは基本は本人、法定代理人(親権者、成年後見人など)、任意代理人(本人から委任を受けた者)、法定相続人(本人がなくなっている場合)

開示請求書とゆうちょ銀行発行の定額小為替証書、1,000円分と本人確認書類(運転免許証、運転経歴証明書、パスポート、住民基本台帳カード、個人番号カード写真あり

おもて面のみのコピー、在留カードまたは特別永住者証明書、各種健康保険証、公的年金手帳(証書)、各種障害年金手帳(証書)、戸籍謄本または抄本、住民票、印鑑登録証明証)など2点用意しないといけない。

うち1点は現住所を確認できるものを用意すること。

開示報告書の郵送方法は、ご本人から申し込みの場合本人の現住所に送られます。

本人限定受取郵便が原則ですが、簡易書留での郵送も可能となっています。申込書に記載するところがあるので郵送方法記載欄にマークをつけるようにしてください。

速達を希望される場合は郵送代金(280円)を同封し、開示申込書の欄外に「速達希望」と記載してください。

返信用封筒は不要とのことです。

通常は1週間から10日ほどで着くそうです。

登録情報開示申込書は全国銀行協会、全国銀行個人信用情報センターのホームページからもPDFダウンロードできます。

コンビニプリントでもプリントできるようになっていてセブンイレブン、プリント予約番号(JB10001)

Family Mart、ローソン、サークルK、サンクスではユーザー番号(SSJBA10001)

セイコーマート、セーブオンでは ユーザー番号(SSJBA10001)

で出すことが可能になっています。

*全国銀行個人信用情報センターでは、審査は行なっていないということです。

あくまでもローンやクレジットカードに関する個人情報を登録し管理しているところです。審査結果の理由などは分からないとのことです。

JICCの個人信用情報の開示の仕方

JICC(株式会社日本信用情報機構)では開示の方法が3つあります。

  • スマートフォンによる開示申し込み手続き
  • 郵送による開示手続き
  • 窓口での開示手続き

スマートフォンの手続きの流れ

1. 専用アプリ(スマートフォン開示受付サービス)のダウンロード
iPhone用、Android用、それぞれのQRコードがJICCのホームページで読み取ることが可能になっています。またApp Store,Google Playのアイコンをクリックしてアプリをダウンロードすることもできます。

2. 利用規約を確認

3. パスワードの発行、入力 迷惑メール設定をしている場合はメールが届かないので、迷惑メール設定を解除してください。

4. 氏名、生年月日、住所、電番号入力をしてください。

5. 本人確認書類の撮影と送信

6. 開示手数料の支払い方法を選択 手数料は1,000円です。クレジット払い、コンビニ支払い、金融機関のATM、オンラインバンキングなどが利用できます。

 ここまでが請求者のやることです。ここからはJICC側がやることです。

7. 申し込み内容の確認

8. 開示結果「信用情報記録開示書」の郵送 簡易書留で郵送されます。
 

郵送による開示手続き

1 .信用情報開示申込書をJICCのホームページからダウンロードできます。*コンビニのマルチコピー機でも申込書を取り寄せることが可能です。

2. 申込書に必要事項を記入する

3. 本人確認書類と手数料とともに郵送する。手数料はまたホームページより開示等手数料お支払い表をダウンロードしそこにクレジットカードの有効期限やカード名義人を記入し、郵送する。もしくは定額小為替証書で1,000円分を送付する

4. 本人書類 1点でよい書類 運転免許証、パスポート、写真付き住民基本台帳カード、マイナンバーカード。在留カードまたは特別永住者証明書。各種障害手帳
  2点必要な書類 保険証、年金手帳、住民票(発行日から3ヶ月以内)、印鑑登録証明書(発行日から3ヶ月以内)戸籍謄本、個性抄本(発行日から3ヶ月以内)

5. 書類送付先 〒530-0003
大阪市北区堂島1ー5ー30 堂島プラザビル6階
        株式会社日本信用情報機構 開示窓口宛
  この住所に信用情報開示書、手数料、本人確認書類を同封して送付する。

窓口での情報開示手続き

1. 信用情報開示申込書(窓口に備え付けのものや郵送用開示申込書でも可)

2. 本人確認書類郵送の時を参考にしてください。

3. 手数料 500円 *窓口ではクレジットカード、定額小為替証書は使えません

受付窓口 東京開示センター
     〒110-0014
東京都台東区北上野1-10-14 住友不動産上野ビル5号館9階

大阪開示センター
〒530-0003
大阪府大阪市北区堂島1-5-30 堂島プラザビル6階

受付時間
月~金(祝日・年末年始を除く)10時~16時

CICの個人情報の開示の仕方

CIC(割賦販売法、貸金業法指定信用情報機関)でもパソコン、スマートフォン、郵送、窓口の4つの方法で開示してくれます。

パソコン、スマートフォンでの手続きの流れ

1. 確認事項を確認する インターネット環境や契約時の電話番号など、支払いに使うクレジットカードの確認などを行なっておきます

2. クレジット契約で利用した電話番号(固定電話、携帯電話)からCICに電話を入れて、受付番号を取得する

3. 受付番号と自分の情報を入力する

4. 開示報告書の表示 PDFファイルをダウンロードしてください。

* 2から3への流れ、受付番号の入力は1時間以内で行わないといけません。

サービス時間 8:00~21:45 (年末年始も利用可能)
利用手数料  1,000円
お支払い方法 クレジットカード決済(1回払い)

郵送での手続きの流れ

1. 必要書類を用意 *必要書類 信用情報開示申込書CICのホームページより作成できる。それをプリントアウトして郵送する。

本人確認書類  運転免許証または運転経歴証明書(表面・裏面コピー) 、 マイナンバーカード[個人番号カード](写真付表面のみコピー)

パスポート(コピー ※住所欄含む)、 各種健康保険証(コピー ※住所欄含む)、写真付住民基本台帳カード(表面・裏面コピー)

各種年金手帳(コピー ※住所欄含む)、各種障がい者手帳(コピー ※住所欄含む)、在留カードまたは特別永住者証明書(表面・裏面コピー)

住民票(本籍地・個人番号の記載がない、発行日から3ヶ月以内の原本)、戸籍謄本または戸籍抄本(発行日から3ヶ月以内の原本)

印鑑登録証明書(発行日から3ヶ月以内の原本)

2. 手数料(1,000円)をゆうちょ銀行の定額小為替証書で用意し、必要書類と一緒にCICへ郵送する

   住所 〒160-8375
   東京都新宿区西新宿1-23-7 新宿ファーストウエスト15階
   (株)シー・アイ・シー 首都圏開示相談室

3. 開示報告書の到着

   簡易書留・親展で輸送されます。期間は10日程度をみてください。 

窓口での流れ

1. 必要書類を用意 本人確認書類が必要 手数料 現金500円(消費税込み)も必要   *郵送での手続きを参考にしてください

2. CICの窓口へ  首都圏開示相談室、北海道開示相談室、東北開示相談室、中部開示相談室、きんき開示相談室、中四国開示相談室、九州開示相談室があります。

受付時間 月~金 (土・日・祝日・年末年始は受付できません)10:00 ~12:00 / 13:00~16:00

3. 窓口でタッチパネルにて受付後、本人確認を行う。

4. 開示報告書の受け取り。報告書の内容も説明も可能

開示報告書の見方

次はいよいよ開示報告書の見方についてです。

KSC(全国銀行個人信用情報センター)の場合

KSCの開示報告書には

1. 開示申し込み者
2. 取引情報
3. 不渡情報
4. 官報情報
5. 本人申告情報
6. 照会記録情報

注意してみたいのは、取引情報の完了区分に代位弁済、保証履行、強制回収手続き、保証債務未履行、移管の表示がされていると
金融ブラックとして登録されているということです。

次に官報情報で注意してもらいたいのは、官報公告部分に破産、民事再生の情報が登録されていても金融ブラックです。

不渡区分で1回目不渡(1号不渡)が表示されていると、金融機関の取引は難しくなります。

2号不渡以降は銀行取引停止処分を受けてブラックリスト入りになってしまいます。

取引情報の返済区分に延滞、代位弁済、求償債権完済、保証債務完済、代位弁済後移管、求償債権移管、保証債務移管などの表記があっても金融ブラックになるでしょう。

取引状況の延滞解消日に表示があるのも延滞した事実が記載されているので、ブラックとまではいきませんが社会位的信用力が下がってしまいます。

最後に取引情報の残債額、入金区分履歴に○以外の表示があるのもよくありません。

他の記号の意味を示した表です。

   

表示 意味
全額入金
一部入金
× 入金なし
P 事情により入金なし
_ 請求もなく、入金もなし
請求はないが、入金あり

JICC(株式会社日本信用情報機構)の場合

JICCの開示報告書には「信用情報記録開示書ファイルD」、「信用情報開示申込書ファイルM」、「紹介記録開示書」の3種類があります。

ファイルDには貸金業者との契約内容や借り入れや返済記録などが記載されています。

ファイルDでは債権情報をしっかり見るようにしてください。取引している会社名や入金履歴、残高、遅延や破産などの契約に関する情報が記載されています。

「異参サ内容」と呼ばれる「異動参考情報」と「サービス内容」を書いた欄があるのですが、ここにブラックである表示が書かれています。

次のような記載があれば金融事故を起こしていると思ってください。

延滞、元金延滞、利息延滞、債権回収、債権整理、破産申立、特定調停、民事再生、保証履行、保証契約弁済、連帯人保証弁済、カード強制解約 などです。

ファイルMでは「支払遅延の有無情報」、注意事項の欄に次の記載がある場合も金融事故を起こしている可能性が高いです。

元本手数料遅延、元本遅延、手数料遅延、保証履行、代位弁済、強制解約、返済条件変更、返済増額変更、延滞後貸倒、債権譲渡、債権回収、破産申立、特定調停、民事再生、名義注意です。

以上の文言が入っているときは金融ブラックと登録されていることになります。

CICの場合

CICの開示報告書は「クレジット情報」、「申し込み情報」、「利用記録」の3種類です。

そこで注意する点は

クレジット情報の報告書ではお支払いの状況、入金状況の欄を確認してください。

申し込み情報ではクレジットカードやカードローンに申し込んだ記録が全部入っています。

ここで1ヶ月以内に3件以上申し込み情報がある場合に申し込みブラックといって借り入れを断られる状況になってしまいます。

そして利用記録で確かめていただきたいのは、お支払い状況の返済状況です。

ここに「異動」と記載されていれば金融ブラックであると思っていただいた方がよいでしょう。

次に「お支払い状況」の終了状況という欄に注目してください。ここに本人以外弁済、貸倒、移管終了、法廷免責などが記載されている場合もブラックとなります。

正常に返した場合は「完了」と記載があるはずです。

最後は「入金状況」です。

ここには以下の表の表示がされています。

表示 意味
$ 請求通り、もしくはそれ以上の入金があった
P 請求額の一部入金
R 本人以外(保証人、保証会社)から入金があった
A 本人の事情で入金がなかった
B 本人の事情とは無関係で入金がなかった
C 入金がなかったが、理由が不明
請求もなく、入金もなし
空欄 情報の更新がない

入金状況にP,R,A,B,Cの記載があれば、すぐにブラックというわけではりませんが、次回の審査には不利になると考えてください。

各信用情報の開示報告書との付き合い方

今回は各信用機関の開示報告書を請求してその見方がわかるようになるようにしてきました。

開示報告書を請求することはあまりないかもしれませんが、金融機関と取引して問題はなかったのに審査が通らないなど、不審に思った時などは

一度請求して確認してみるのも、解決策の一つです。何もわからないままだと不安が解消されませんし、

もしかすると、無断で名義を使われ、金融事故を起こしている可能性もあります。不自然なことがある場合は信用情報の開示を求めるといいでしょう。

またご自身が金融事故を起こしている自覚がある方は、どんな金融事故なのか把握して、あとどのぐらいでブラック解消かの目安を知ることもできます。

うまく利用したいですね。