カードローンの「極度型ローン」って何?

融資には、”当座貸越”など4つの方法があります。カードローンは「極度方式基本契約に基づく個別貸付契約」で、限度額まで自由な融資が受けられる当座貸越とカードローンの違いを説明します。

「極度方式貸付」のカードローンと「証書貸付」のフリーローンについてと、カードローンの”極度額”と”限度額”の違いについて知っておきましょう。

ジャパンネット銀行の「極度型ローン」や、「極度型ローン」でネット検索できる銀行・信用金庫・信用組合の教育ローンを紹介します。

カードローンの”極度額”はキャッシング審査の対象となるので、数社から借入している時は、その合計額に注意する必要があることも知っておかなければならないのです。

銀行融資のやり方には主に4つの種類がアル!

お金を借りると言えば消費者金融か銀行といったところですが、その方法にはいくつかの形態があります。例えば、銀行の融資の形態には、主に次のような4つの方法があるのです。

  • 手形貸付
  • 証書貸付
  • 手形割引
  • 当座貸越

手形貸付というのは、銀行などの金融機関が資金を融資する方法の一つです。主に1年以内の短期資金の融資に用いられて、借入側が金融機関宛てに借用証書代わりの約束手形を振り出し、金融機関が借主に手形額面から利息分を差し引いた金額を交付するというやり方です。

証書貸付というのは、借入側が融資金額・返済方法・利率等の融資条件を記載した金銭消費貸借契約証書(借用証書)を金融機関に差し出し、その引き換えとして融資を行なわれるというやり方です。この方法は、設備資金や長期運転資金のために、長期の担保付の貸付として用いられます。

全国銀行協会のデータにはこの証書貸付の割合が8割ほどとなっていたり、信金中央金庫のデータでは9割弱がこの方法となっていて、銀行・信金関連の貸出方法の大部分はこの方法なのです。なお、消費者金融に見られる「フリーローン」はこのやり方になっています。

手形割引というのは、満期前の手形を融資の借入側・貸付側以外の第三者に裏書譲渡し、満期日までの利息分と手数料を差し引いた金額に換金するやり方です。通常は、ある企業などが手形を保有していて、この手形割引を銀行に依頼するという形となります。

当座貸越というのは、事前に銀行との契約を行なっておいて、当座預金残高よりも多額の小切手を振り出した時に、一定額までは銀行が立て替えてくれる借金の制度のことです。銀行側から見た場合の呼び名なので貸越となっていますが、借入側からすれば当座借越ということになります。

事前に設定された借金ができる一定額は融資限度額になり、その金額までは自由に融資を受けたり、返済したりできるので、カードローンと似ている方法です。

カードローンは「極度方式基本契約に基づく個別貸付契約」

お金を借りる契約の種類には、次のように3つの方法があります。

  • 貸付契約
  • 極度方式基本契約
  • 極度方式基本契約に基づく個別貸付契約

「貸付契約」では、お金を借りる度毎に契約書を作成しなければなりません。これは消費者金融などに見られる「フリーローン」や「目的別ローン」での契約方法で、必要なお金の額面どおりの借用書を作成して、期日までに借金を返済する個別契約なのです。

「極度方式基本契約」では、借りられるお金について契約前にその上限を設定しておきます。但し、その極度を定めた基本契約書だけでお金を借りられるわけではありません。

「極度方式基本契約に基づく個別貸付契約」では、「極度方式基本契約」で定めた基本契約書の内容に基づいて、その貸出枠の範囲内でお金が借りられます。銀行などで取り扱われる「カードローン」の契約がこの方法になります。

カードローンは利用”限度額”内であれば自由にお金が借りられるとても便利な貸付契約ですが、この”限度額”と契約の基本の”極度額”との関係が少し解かりづらいところがあります。

限度額まで自由な融資が受けられる当座貸越とカードローンの違い

契約で定められた借入枠の範囲内であれば自由な融資が受けられるという点では、当座貸越とカードローンはよく似ています。しかし、その二つには歴然とした違いがあるのです。

まず、当座貸越についてそのメリットとデメリットを見てみると、大体次のようになります。

  • メリット:厳しい審査が無い。
  • メリット:申込み不要。
  • メリット:低金利。
  • デメリット:銀行の定期預金が必要。
  • デメリット:多くは限度額200万円以内。

以上を踏まえて、当座貸越とカードローンの相違点をまとめてみると、次のようになるのです。

項目 当座貸越 カードローン
担保 定期預金等 不要
審査 とても緩やか 緩やか
限度額 200万円位 300万円から
1000万円位
金利 1%未満程度 13%から
18%位

当座貸越は自分の定期預金などを担保とする借金なので、事実上は自分のお金を借りているようなものなので、銀行にお金が無くてカードローンを利用する場合よりも簡単に借りられるのです。

カードローンとフリーローンは貸付方式が違う!

お金を借りる時によく利用されるものと言えば、「カードローン」と「フリーローン」かと思いますが、似ているようでそうではないのがこの二つで、それぞれに「極度方式貸付」と「証書貸付」という正式な契約上の名前があるのです。

「カードローン」も「フリーローン」もどちらも自由にお金が借りられる融資の方法のように勘違いする人も多いようですが、実は「フリーローン」の”フリー(自由)”というのはその自由ではなくて、資金使途が自由ということを意味しているのです。

「フリーローン」の契約方法は銀行の融資形態にもある「証書貸付」で、主に銀行が取り扱っていることからその安心感にはとても高いイメージが強くあります。そして、銀行の「証書貸付」では長期の融資で担保が必要でしたが、「フリーローン」では無担保となるので人気の金融商品となっています。

一方の「カードローン」の契約方法は「極度方式貸付」で、契約で定められた金額の範囲内であれば、ひとつの融資を返済していれば再び融資を受けられるという自由度があるのです。

「カードローン」と「フリーローン」を比較すると、大体次のような4つの特徴が見えてきます。

項目 カードローン フリーローン
融資額 500万円から
1000万円位
200万円位
振込先 申込した銀行口座又は
ATMからの出金
申込みした銀行口座
返済額 完済までに変動 完済まで同額
再度借入 返済中も可能 返済中は不可

「カードローン」を利用するのであれば、少額からの借り入れをしてその返済を行ないながら、更に借入を繰り返しながらも完済に漕ぎつけたいという人に向いています。一方の「フリーローン」を利用するのに向いているのは、一括でお金を借りて返済を続けていって完済したいという人なのです。

カードローンの”極度額”と”限度額”の違い

自由にお金を借り過ぎて、ある日突然にカードローンが使えなくなったというのは、”極度額”と”限度額”の違いを良く理解しないままキャッシングし続けたせいなのです。

”極度型ローン”であるカードローンの契約では、カードローン申込者が最大限利用することのできる金額として、”極度額”というものが定められています。この金額の決め方は金融機関毎に違っていて、カードローン契約後の利用状況や審査の内容によって変わってくるのです。

カードローン契約が成立して”極度額”が決まったからといって、即座にこの金額までフルに借入できるという訳ではありません。ここに、”限度額”というもうひとつの基準があって、カードローン利用者の時々の状況に応じて”極度額”内のこの”限度額”で借入できる金額は制限されるのです。

消費者金融のカードローンには総量規制がかかるため、年収の1/3を”極度額”とするところもあるようですが、通常はそんなに高額な貸付は難しいものなのです。そのため、”極度額”までの借り入れが可能なような契約にして、現実の利用者状況に合わせた”極度額”以下の”限度額”というものも設定するのです。

これは、総量規制の対象外となる銀行のカードローンでも同じことです。いくら”極度額”が高く設定されたとしても、現実的には現状に合わせた”限度額”によって貸付金額は制限されてしまうのです。

”極度額”と”限度額”の決定的な違いは、一度設定された”極度額”は基本的には変更されることはないのに対し、”限度額”の方は貸し付ける側が借入側の状況に応じて自由に変更できるというところでしょう。

そのため、貸し付ける側では、カードローンの利用状況があまり芳しくない借入者に対しては、この”限度額”を借入残高よりも低い金額に設定し直して、それ以上の借入ができないようにすることも可能なのです。

”極度額”と”限度額”共に100万円で新規契約したカードローン利用者が、他の金融機関からの借入金を増やしたとしましょう。すると、貸付側は”極度額”はそのままに、”限度額”の方を他社借入金額に見合ったものに減額してしまうのです。

ジャパンネット銀行の「極度型ローン」

「極度型ローン」の事例として、ジャパンネット銀行の「極度型ローン」について見ていきましょう。ジャパンネット銀行には、次のように4つの「極度型ローン」があります。

  • ネットキャッシング
  • クレジットライン
  • カードローン
  • 借り入れおまとめローン

但し、「ネットキャッシング」以外は新規の受付が終了しています。

ジャパンネット銀行の”極度型ローン”の「ネットキャッシング」は、「目的型ローン」や「フリーローン」とは商品性が異なることが明確に示されています。

具体的にジャパンネット銀行の「ネットキャッシング」の内容を見ていきましょう。その商品概要は大体次のようになっています。

項目 内容
利用可能者 ・申込時年齢:20歳以上70歳未満
・仕事及び安定収入のある人
・当該社の普通預金口座のある個人
・一定の審査基準を満たして指定の保証会社の保証を受けられる人
使途 自由(事業資金除く)
契約期間 3年
年会費と手数料 不要
”限度額”と金利
(一例)
・1,000万円→2.5%
・500万円以上600万円→5.5%
・100万円未満→18.0%

以上のような内容を含めて、ジャパンネット銀行では「ネットキャッシング」のポイントは、次の5つだとアピールしています。

  • 30日間利息0円(初めての借入)
  • 自動融資機能(引き落とし・Visaデビット)
  • 郵送物無し(ローンカード不要)
  • 利用限度額:最高1,000万円
  • 金利:年2.5%~18%

銀行・信金・信組に多い「極度型ローン」の教育ローン

「極度型ローン」について調べていると、ジャパンネット銀行のネットキャッシングについで検索されるものには、銀行・信金・信組などの教育ローンが実に多く現われます。いくつかの事例を上げると、次のようになるのです。

金融機関 極度型ローン
銚子商工信用組合 教育ローン極度型チャンス
観音寺信用金庫 学資ローン(極度型)
高松信用金庫 教育資金「新YOU学ローン(極度型)」
飛騨信用組合 チャンス(極度型教育ローン)
海邦銀行 ・事業者カードローン エース
・オーナーラインABL
愛知銀行 教育ローン(極度型)
アルプス中央信用金庫 極度型奨学ローン(当座貸越型)
教育ローンというのは、金融機関が個人を対象に教育関係経費に限定して貸し付けるものです。その多くは教育を受ける学生の保護者(扶養者)が利用していて、学生本人への支援となる奨学金や生活費や遊興費に充てる教育費以外の融資としての「学生ローン」とは一線を隔しています。

教育ローンの借入の種類には、以下のとおり7つの形があります。

  • 分割借入(証書貸付型)
  • 元金据置型(証書貸付型)
  • 親子リレー返済型(証書貸付型)
  • 極度枠設定型
  • カードローン型
  • 当座貸越、証書貸付併用型
  • カードローン、証書貸付併用型

カードローンの”極度額”はとても重要な審査対象!

カードローンの”極度額”はとても重要なキャッシングの審査対象となるため、複数の金融機関から借入しようとする場合には、その合計額に充分に注意する必要があります。

”極度額”がそのままカードローンで利用できる最大の借入額となる訳でもないのに、どうして金融機関ではそんな面倒くさい基準を設定すのでしょうか。実は、そこには貸し付ける側の巧妙な営業の手段があるのです。

金融機関としてはいくらでも高額のキャッシングをしてもらって、それに見合った利息によって利益を上げたいのです。しかし、利用者の返済能力を超えるお金を貸し付けてしまえば、いつかは利用者のお金の状況が破綻しかねません。

このジレンマを解決する方法が”極度額”と”限度額”という2種類の貸付額枠の設定となります。契約上変更できない”極度額”はなるべく高めにしておいて、将来的な高額借り入れ顧客を確保しておき、貸付側の裁量で変更できる”限度額”でもって実情に合わせた貸し付けを行っていくのです。

キャッシング利用者としては、仕事をがんばって年収を増やしたり、複数社の借入があるのであればそれを計画的に減らしていき、少しでも貸付側に好印象を与える必要があります。

通常のカードローン契約は、3ヶ月で見直し審査がおこなわれています。そのくらいのスパンを意識しながら、計画的な返済を行ない、転職などをして収入に変動があるようであれば、ちゃんと貸付側に報告して自身の信用を築いておくのが、キャッシングする上での最重要なポイントとなのです。