カードローンに申し込みすると、必ず審査があります。それは、世の中にはお金を借りたまま返さない、返せない人もいるので仕方がないといえます。
ただ審査には、職業によって有利だったり不利だったりとの情報が多くあり、その中でも個人事業主はどちらかと言えば、不利な部類になります。
とはいえ、必ずしも個人事業主の方が審査に落ちるわけではありませんし、逆に借りる理由によっては個人事業主向けの商品もあります。
個人事業主の方がお金を必要とした時、どんなカードローンがあるのでしょうか。カードローンを利用する際の注意点や、他の融資方法も含めてお伝えします。
カードローンでは、職業により審査の通過の確立が変わるというような情報が多くあります。その中で、個人事業主はどちらかと言えば、審査に有利とは言えない部類になります。
その理由としては、公務員やサラリーマンと違って収入が安定しているとは言い難い面があり、カードローンの必須条件である継続して安定した収入を得ているとは言えない職業である為です。
もちろん、審査にはいろいろなチェック項目があり、職業だけで審査の通過が決まる訳ではないので、必ずしも個人事業主だから審査に落ちると言う訳ではありません。例え審査に有利と言われる職業の人だろうが、審査に落ちることはあります。
当然、個人事業主だってカードローンの審査に通る人はたくさんいます。とはいえ、他の要因も考えれば、多少なりとも審査に少しでも有利にできるならばそうしたいと誰もが思うでしょう。
個人事業主の場合、普通のカードローンに申し込みすること自体は問題ないのですし、事業や収入が安定していれば当然審査には通ります。しかし、これは個人事業主に限ったことではないのですが、100%どこでも大丈夫かと言えばそうとは言えません。それぞれに審査の判断には違いがあります。
ただ、申し込みするカードローンの選択以外に、個人事業主の場合、気をつける点が多々あります。
まずは、この違いによって借りたい金額や借入先が変わってきます。あまりに金額が大きければ、後で説明しますが、普通のカードローンでない方がいいかもしれません。
特に銀行カードローンでは、金額に関係なく事業性資金としては使えないので注意する必要があります。
逆に消費者金融では、(言うまでもなく法人化していれば話は変わってきますが)大抵、生活費だけでなく事業費としての使用も可とされています。(はっきり明記しているのは、プロミス。)
各金融機関でのカードローン資金使途について
カードローン名 ・金融機関名 |
資金使途 |
---|---|
アコム | 自由 |
アイフル | 自由 |
プロミス | 生計費に限る (ただし、個人事業主は、生活費および事業費に限る) |
みずほ銀行カードローン | 自由 (ただし、事業性資金は利用できない) |
三井住友銀行カードローン | 原則自由 (ただし、事業性資金は使用できない) |
三菱UFJ銀行カードローン 「バンクイック」 |
さまざまな用途 (事業性資金を除く) |
りそな銀行 りそなカードローン |
健全な消費性資金 (事業性資金には利用できない) |
楽天銀行スーパーローン | 原則自由 (事業性資金には利用できない) |
セブン銀行カードローン | 自由 (ただし事業性資金には利用できない) |
娯楽や急な冠婚葬祭に必要になったなど、事業用でなく生活資金としてカードローンを考えているのならば、審査の通過の有無はあるものの必要以上に心配することはないでしょう。
一般のカードローンでは、書類提出として本人確認が証明できるもの、例えば免許証やパスポート(コピー)の提出を求められますが、消費者金融では50万円以下は不要とはされているものの、必要な場合には収入証明書類の提出も出てきます。
他にも、資金使途が自由と言われる消費者金融でも、書類提出が他にも必要なところがあります。
収入証明書類以外に提出書類があるところの一例
SMBCモビット (モビットカードローン) |
「営業確認状況」の提出が必要。 |
---|---|
アイフル (事業サポートプラン(無担保プラン)) |
「 事業内容確認書」の提出が必要。 |
モビットの場合は、個人事業主専用ではなく、普通のカードローンになります。しかし、個人事業主の方に関しては、確定申告書などの収入がわかる書類だけでなく、SMBCモビット側が用意している、「営業確認状況」書類が必要とされています。
アイフルの場合は、ビジネスローンと言われる自営業や個人事業主専用のカードローンになりますが、やはり独自に用意された書類の提出が必要になってきます。
もちろん、ビジネス専門のローンならばともかく一般的なカードローンならば、個人事業主の方でもそこまでの書類提出を求めることは少ないです。ただ、多少なりとも必要とされるところがあるのは知っておくと用意しやすいでしょう。
個人事業主の場合、消費者金融では申し込みが可能だとしても、必要なお金の使い道が事業用ならば普通のカードローンではないところへ申し込みした方がいいかもしれません。当然、先に説明したように銀行カードローンでは、事業用としてはお金は借りられません。
消費者金融以外にも事業用としての資金を借りられるところは、いくつかあります。
消費者金融ではいいとされているのに銀行カードローンではダメとなっていることで、そもそも事業用としてお金が借りられないカードローンがあるのは何故なのか、と疑問に思う人もいるかもしれません。
その理由として一番にあるのが、生活費と比較すると事業用資金は(事業内容や規模にも違うでしょうが)金額が際限なくかかることが考えられ、リスクが大きいと判断されることあげられます。
また、生活資金と事業資金と言う使い方の違いに伴い、審査の判断の仕方が生活費の場合とは変わってきます。
銀行の場合は、カードローンとは別に元々企業への融資も行っています。と言うことは、企業のお金の扱い方のチェックの目はかなりシビアですし、事業に関わる融資はそれ相応の融資商品を持っているので、敢えてカードローンで事業性資金の融資をする必要なないと言えます。
資金使途が自由と言うことで消費者金融のカードローンに申し込むこともいいのですが、金額によっては、ビジネスローンと言われるローンを利用するのも一案です。
事業性資金とするとどうしてもその金額は大きくなるので、個人のカードローンに申し込みするよりもビジネスローンを利用した方が、融資額が多くなるのは確かでしょう。
ビジネスローンのメリット・デメリット(個人のカードローンとの違い)
メリット | 融資額が大きくなることが多い (総量規制を超える額を借りられる) 金利が低くなりやすい |
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デメリット | 審査に時間がかかることもある 必要書類が多い |
デメリットもあるので、その上でどちらを選択するのかを考えるといいでしょう。審査の時間は、業者によっては大きく時間がかかるところもありますが、カードローンと大きく変わらないことも多々あります。
先にも触れましたが、銀行以外にもビジネスローンを扱っている金融機関はいくつもあります。
ビジネスローンを扱っている金融機関
ただ、この中で銀行の場合は、(これは公的融資でも言えることですが)事業性資金としての融資は主に法人向けの内容が多く、個人事業主からするとできないわけではないのですが必要書類など、少しハードルが高いモノが多いと言えるかもしれません。
また、時間や手間がかかることが多く、なるべく手軽に負担なく借り入れしたい場合は、消費者金融やビジネスカードローン専用の貸金業者を利用する方が早いと言えます。
金額が大きければ当然ではあるのですが、最終的に利息がどれぐらいになるのかも見越して検討する必要があります。実際にビジネスローンを扱っている金融機関ですが、ざっと比べてみてもこのような違いがあります。
ビジネスローン | 限度額 | 金利 (実質年率) |
---|---|---|
アコム ビジネスサポートカードローン |
300万円 | 12.0〜18.0% |
アイフル 事業サポートプラン (無担保プラン) |
500万円 | 3.0〜18.0% |
プロミス 自営者カードローン |
300万円 | 6.3~17.8% |
ジャパンネット銀行 ビジネスローン (freee会員専用) |
3,000万円 | 1.45~13.75% |
ジャパンネット銀行 ビジネスローン (Yahoo!ショッピング、ヤクオフ!出店者向け) |
3,000万円 (出店歴18ヶ月未満の場合は、1,000万円まで) |
1.45~8.20% |
りそな銀行 りそなビジネスローン「活動力」 |
500万円 | 6.0・10.0・14.0% |
オリックス VIPローンカードBUSINESS |
500万円 | 6.0~17.8% |
オリコ 個人事業主専用ローンカード CREST for Biz |
300万円 | 6.0~18.0% |
参考までにビジネスローン専用の貸金業者の商品の一例です。
ビジネクスト(ビジネスローン)
融資対象者 | 法人、または個人事業主 申込時満20~69歳まで |
---|---|
融資額 | 50万~1,000万円 |
金利 (実質年率) |
8.0~15.0% (限度額100万円以上) 13.0~18.0% (限度額100万円未満) |
遅延損害金 (実質年率) |
20.0% |
返済方式 | 元利均等返済 元金一括返済 |
担保 | 不要 |
保証人 | 原則不要 (法人の場合は、代表者に原則、連帯保証人が必要) |
必要書類 | 法人: 代表者の本人確認書類 決算書 その他必要に応じて 個人事業主: 本人確認書類 確定申告書 ビジネクスト指定の事業内容確認書 その他必要に応じて |
その他、印紙代が実費必要となります。
ビジネスパートナー(スモールビジネスローン)
融資対象 | 法人、または個人事業主 満20~満69歳 |
---|---|
融資限度額 | 50万~500万円 |
金利 (実質年率) |
9.98~18.0% |
遅延損害金 (実質年率) |
20.0% |
担保 | 不要 |
保証人 | 原則不要 (ただし、法人の場合は、代表者の連帯保証が必要) |
返済方式 | 借入時残高スライド元金定額リボルビング返済 |
必要書類 | 法人: 代表者の本人確認書類 登記事項証明書 (履歴事項全部証明書) ※発行後3カ月以内のもの 印鑑証明書 (法人・個人のもの) ※発行後3カ月以内のもの 決算書(原則間近2期分)等 個人事業主: 事業主本人の本人確認書類 印鑑証明書(個人のもの) ※発行後3カ月以内のもの 確定申告書(原則 間近2年分) ビジネスパートナー指定の借入計画書 等 |
印紙代が実費必要です。
他にもまだまだあるので、どこがいいか比較してみるといいでしょう。
急がなければ、公的機関でお金を調達するのも方法の一つとなります。
ただし、審査には時間が(1ヵ月以上かかることも)かかります。また、必要書類も一般的なカードローンよりも多いです。
その公的機関として代表にされるのが、日本政策金融公庫です。
他の公的機関での融資もですが、特徴としてまずあるのが金利の低さです。急ぎでの資金調達ならば、今まで説明したビジネスローンがいいのですが、時間に余裕があるのならば、こちらの方が利息が少なくすみます。
日本政策金融公庫は、事業主ならば誰もが知っていると言っても過言ではない、資金の支援を行う機関になります。
個人事業主向けだけでなく、起業を考えている人や、中小企業の人向けと言えるかもしれません。利息の低さも特徴にあるのですが、先に説明したビジネスローンよりも融資額が大きいです。
融資制度 | 対象者 | 限度額 |
---|---|---|
一般貸付 | 事業を営む人 | 4,800万円 特定設備資金7,200万円 |
新規開発資金 | 新たに事業を始める人、 または事業開始後おおむえ7年以内の人 |
7,200万円 (うち運転資金4,800万円) |
女性、若者/シニア起業家支援 | 女性または35歳未満は55歳以上の方であって、新たに事業を始める方 または事業開始後おおむね7年以内の方 |
7,200万円 (うち運転資金4,800万円) |
IT資金 | 情報化投資を行う方 | 7,200万円 (うち運転資金4,800万円) |
ソーシャルビジネス支援資金 | 社会課題の解決を目的とする事業を営む方 | 7,200万円 (うち運転資金4,800万円) |
これはほんの一例で、他にも農林水産業関連を含めて、多くの支援制度があります。
金利に関しては低いと説明しましたが、条件で細かく分かれているので考えようによっては低金利ではないと感じる人もいるかもしれません。それでも、高くても3%に満たない為、ビジネスローン等と比べてもかなり低金利での借り入れが可能と言えます。
ただし、提出書類を含め、審査が丁寧に行われるので、先にも触れましたが、かなり時間がかかることを頭に入れておく必要があります。
他にも地方自治体と民間の金融機関や信用保証協会が連携して融資を行っている「制度融資」などがあります。
地方自治体には、各地域によって違いはあるものの、助成金や補助金の制度もあります。
他にも公的支援とは少し違うかもしれませんが、各地域の信用金庫は、そもそも地域経済の活性化のための金融機関としての役割もあるので、銀行よりも支援が手厚いと言えます。ここで融資の相談をするのも一案です。
また、通常の融資形態とは違い、今はインターネットなどを通して、個人から少額ずつ融資をしてもらう「クラウドファンディング(Crowd funding)」と言う方法もあります。
「こんなことがしたい。」「こんなモノを作りたい。」などのアイデアやプロジェクトを持った人がインターネットを通して、世間一般から資金や援助を募集する方法になります。
クラウドファンディングでは、主にこれらのパターンに分かれます。内容は、ゲームアプリの開発や本の出版、CD政策、新しい商品開発、伝統工芸品の製作や修復、先進医療・技術の研究など、多岐に渡り、若者を中心にクラウドファンディングは広がっています。
個人事業主もその事業は様々ですので、このような方法を利用して資金集めをするのも一案かもしれません。
1人で細々と行うパートやアルバイトと変わらない程度のものから従業員を多く雇うような規模まで、個人事業主もいろいろなパターンがある為、おすすめできるローンが一種類とは限らないでしょう。
それこそ個人で借り入れるカードローンで充分な方もいれば、大きな金額を必要とする為に、専用のビジネスローンを検討する必要がある人もいるでしょう。また、返済のことを考えて、公的支援の道を選択する人もいるかもしれません。
生活資金か事業資金で借り入れ先は大きく変わりますし、急ぎで必要なのか、ゆっくりと検討してから申し込みするのかでも、変わってきます。
いずれにせよ、資金調達にローンを活用するのも一つの方法であることには違いありません。その上で、最適な借入先をみつけ、そして充実した形で業務に励めるのが一番でしょう。