助かる奨学金、でもデメリットもあることを知っておこう!

一般的に奨学金といっても、様々なタイプのものがある。給付型の奨学金、貸付型の奨学金。進学が金銭的に困難な場合に利用するものですが、

返済がいらない「給付型の奨学金」はデメリットが少ないのでしょうが、「貸与型の奨学金」は、就職してから返済をしていかなくてはなりません。

最近では、返済できなくて困っている利用者もあると取りざたされています。

「貸与型の奨学金」はお金を借りるということです。名前が奨学金ということで、安易に考えがちかもしれませんが、借金です。

その辺のリスク〜奨学金のデメリットについて、奨学金の制度とともにみていきたいと思います。

奨学金制度の現状

冒頭にも書きましたが、奨学金といっても様々なものがあります。まずは現行の奨学金の制度についてです。

現在の奨学金制度は「給付型の奨学金」は審査が難しく、圧倒的に「貸与型奨学金」が主流です。

給付型の奨学金の場合ですと、返済する必要がないのでデメリットは少ないでしょう。ただ非常に審査が厳しいです。高校時代の成績なども考慮されますし、

家庭の経済状況の審査もあります。このことから「給付型奨学金」を受け取るのははかなり難しいのが現状です。

現在、「給付型奨学金」を増やしていこうとういう動きがあります。今後の動向も気にしておく必要があります。

しかし今のところは奨学金利用者の約9割が貸付型奨学金であることから、大学卒業後の金銭的不安はぬぐえません。

また貸与型と給付型が混合した形態の奨学金も存在しています。これは医師や看護師、社会福祉士、介護福祉士などを目指す人が対象になっていて

資格を取得し、奨学金を貸与した団体や機関、自治体などが運営する病院などの医療機関で一定期間働くことで、返還が免除されるものです。

医療福祉系の仕事に就くために、進学される方は検討されてみてもいいのではないでしょうか。

代表的な奨学金、日本学生支援機構の奨学金について

奨学金はそもそも経済的理由で修学が困難な優れた学生に学資の貸与を行い、また、経済・社会情勢等を踏まえ、学生等が安心して学べるよう、「貸与」または「給付」する制度です。

「貸与型」奨学金について

「貸与型」奨学金の中でも第一種(無利息)と第二種(利息がつく)タイプの2種類があります。

第一種(無利息)は特に優れた学生及び生徒で経済的理由により著しく修学困難な人に貸与されます。

気になる採用基準は予約採用と在学採用の二つがあります。

予約採用の基準

(大学で受ける奨学金の予約)

・申込資格 大学に進学を希望し、卒業見込みの者か卒業後、2年以内で、大学、短期大学、専修学校に入学したことのない人、高等学校卒業程度認定試験もしくは大学入学資格検定に合格した人、科目合格者で機構の定める基準に該当する人、又は出願者

・申込先  在学している高等学校または専修学校、出身高等学校、専修学校、高等学校卒業程度認定試験もしくは大学入学資格検定に合格した人は日本学生支援機構に直接申し込みをする。

第一種(無利息)の基準

●学力
(1) 高等学校又は専修学校高等課程の1年から申込時までの成績の平均値が3.5以上

(2) 高等学校卒業程度認定試験もしくは大学入学資格検定に合格した人、又は科目合格者で機構の定める基準に該当する人

(3)家計支持者(父母等、2人いる場合は2人とも)の住民税(所得割)が非課税であって、以下のいずれかに該当するとして学校長の推薦を得られる人

・特定の分野において特に優れた資質能力を有し、進学先の学校において特に優れた学習成績を修める見込みがあること

・進学先の学校における学修に意欲があり、進学先の学校において特に優れた学習成績を修める見込みがあること

●家計

家計の基準額は、世帯人員、就学者の有無等によって異なります。

家計支持者(父母、父母がいない場合は代わって家計を支えている人)の収入金額が選考の対象、収入・所得の目安はおよそ次の金額以内です。

世帯人数 給与所得者 給与所得以外
3人 657万円 286万円
4人 747万円 349万円
5人 922万円 514万円

● 利率

無利息

● 貸与額

月2万〜6万4,000円

第2種の基準

●学力

(1) 高等学校又は専修学校(高等課程)における学業成績が平均水準以上と認められる者

(2) 特定の分野において特に優れた資質能力を有すると認められる者

(3) 大学における学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められる者

(4) 高等学校卒業程度認定試験(大学入学資格検定)に合格した人、又は科目合格者で機構の定める基準に該当する人

●家計

世帯人数 給与所得者 給与所得以外
3人 1,009万円 601万円
4人 1,100万円 692万円
5人 1,300万円 892万円

● 利率

第二種奨学金の利率の算定方法として、利率固定方式、利率見直し方式のうち、いずれか一方を申し込む際に選択します。
利率は0.22%~0.30%以下、いずれの方式も利率は年3%が上限、在学中及び返還期限猶予中は無利息です。

詳しくは日本学生支援機構のホームページを参考にしてください。

● 貸与額

月2万〜12万円(有利子) 

「給付型」奨学金について

進学する前年度(高等専門学校は4年生に進級する前年度)に在学している学校(高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部、専修学校の高等課程、高等専門学校。以下、「高等学校等」という。)を通じて申込みを行います。

在学状況等の要件

(1)大学・短期大学・専修学校の専門課程に進学を予定している高等学校等の最高学年(高等専門学校の第3学年)、または高等学校等を卒業後(高等専門学校の第3学年を修了後)2年以内の人
(2)高等専門学校第4学年に進級を予定している高等専門学校第3学年または、第3学年修了後2年以内の人
(3)高等学校卒業程度認定試験の合格者(合格後2年以内の人)、または出願者

● 家計

ア.住民税非課税世帯(家計支持者の市区町村民税所得割額が0円の人)
イ.生活保護世帯の人
ウ.社会的養護を必要とする人(※)

※18歳時点で児童養護施設、児童自立支援施設、情緒障害児短期治療施設(平成29年4月~「児童心理治療施設」に改称)、自立援助ホームに入所していた人、又は、18歳時点で里親、小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)委託者のもとで養育されていた人

● 推薦基準

(1) 将来的に社会に貢献できる人物となる見込みがあること
(2) 十分に満足できる高い学習成績を収めている
(3) 教科以外で大変優れた成果を収め、概ね満足できる学習成績を収めている
(4) 社会的養護を必要とする者であって、進学後特に優れた学習成績を収める見込みがある

以上の条件に当てはまり、在学している学校で推薦を得られたものは日本学生支援機構に推薦してもらえます。

奨学金のデメリット

奨学金も給付型のものであればデメリットはないのですが、審査自体も難しくなかなか給付型の奨学金をもらうのは難しいのが現状です。

そこで貸与型奨学金に目を向けるのですが、設定されている金利はやはり奨学金ということもあり低くされていますが、やはりお金を借りるということには変わりありません。

卒業し、就職してから返済していかないといけないことには変わりはありません。仕事が順調にいいっているときは支払える計算でも、体調を崩したり、予期せぬ退職があるかもしれません。

そんな時に備えて、順調な時に繰り上げ返済をしておくことをお勧めします。

少しでも返済をしておけば、仮に仕事ができなくなった状態でも返済金額が小さければなんとかなることもあります。

最悪の状況も頭に少し入れておくことも必要かもしれません。貸与型奨学金を申し込む際に返済をしないといけないことを忘れてはいけません。

でも順調に就職し、キャリアを続けることができると、高卒と大卒の生涯賃金を比較してみると、大きく変わってくる結果が出ています。

貸与型奨学金を申し込んで、借金をしてもメリットがある場合もあります。よくよく考えて奨学金を利用するようにしましょう。