知らないうちに押し貸し詐欺が?こまめに通帳を見ることが大切

どんなことでもそうなのですが、真面目に仕事をしていたり物事に取り組んでいる人がいる半面、残念ながらずるをする人や、他の人を騙す人も中にはいます。会社でもそれは同じで、カードローンなどの借金に関して言えば闇金でわかるでしょう。やはり悪徳業者はいるものです。

そんな中、借金関係では「押し貸し詐欺」と言うものがあります。押し売りならぬ押し貸しで、無理やりお金を貸すことです。

一般的に闇金と言われる違法の消費者金融の話はよく出てくるものですが、この押し貸し詐欺はどのような悪徳業者なのでしょうか。押し貸し詐欺に引っかからない為にも、知っておく方が安心です。

どんなことをされる?無理にお金を貸す悪徳業者「押し貸し詐欺」とは

カードローンなどを扱う消費者金融に関しては、一昔前は業界全体的に良くないイメージを持っている人もいたのですが、現在はコマーシャルの影響もあり、その良くないイメージはかなり払拭されました。実際、法律に則って個人にお金を貸し、困っている人の役に立っているのも確かです。

しかし、どんな業界にも悪徳業者がいるのも確かで、「闇金」の言葉があるように違法行為によってお金を貸し付けしている業者がたくさんいるのも確かです。その違法行為は、法外な金利での貸し付けで融資をし、返済に対してもかなり厳しく取立てを行うのが一般的な印象でしょう。

しかし、ある意味、特定の方法でもって個人への貸し付けをしている悪徳業者もいます。「押し貸し詐欺」と呼ばれる方法で融資を行っている業者です。

押し貸しと詐欺とは、本人の許可なしに勝手に少額を口座振り込みし、後日高い利息と一緒に返済を請求して利益を得ることを生業としている悪徳業者です。

押し貸しも闇金になります。ある日、知らないうちに銀行口座に身に覚えのないお金が入っていたら、押し貸しかもしれません。

押し貸す金額としては、数千円~数万円ほどが多いです。普段の生活費から考えれば数万円でも少額とは言えないかもしれませんが、融資ということを考えれば、10万円にも満たない額は、少額と言えるでしょう。

要注意!押し貸し詐欺にはターゲットになりやすい人がいる!

悪徳業者、いわゆる闇金に引っかかりやすい人は、当たり前ですが、お金に困っている人です。「審査ナシ」や「誰でも借りられる」の甘い言葉で経済的に困っている人を言葉巧みに誘い、気付いたらとんでもない金額の借金ができていた、なんてことはよくある話です。

ただ、押し貸しに関しては、借りる側から申し込みがある訳はないので、お金に困っているとは限りません。しかし、ターゲットになりやすい人はいます。

押し貸しにターゲットになりやすい人

  • 過去に闇金を利用したことがある人
  • 闇金に申し込みをしてしまった人
以前にしろ現在にしろ、闇金を利用したことがある人は、その個人のデータを闇金が持っている分、押し貸しのターゲットになりやすいです。例え、結果的に闇金を使わなかった人も一度問い合わせしている場合には、要注意です。

以前闇金を利用したり、他でもローンを利用したことがわかってしまうと、お金に困っている可能性を推測されてしまいます。お金に困っていると、押し貸しでもついお金を使ってしまう人がいるので、過去の利用者は狙われやすいです。

しかも、闇金は、闇金から個人のデータを勝手に売買したり、情報の交流を行っています。その為、1つの闇金に情報が渡ると他の闇金から電話が入ったり、それこそ、口座に勝手に入金される押し貸しの被害に遭いやすくなります。

「私は闇金に関わったことがないから大丈夫。」と言う人もいますが、安心はできません。他にもネットオークションなどの口座のデータが流出し、闇金に縁がない人がターゲットになることも考えられるからです。

知らないうちに銀行口座にお金が入っていた!どうすればいいのか?

押し貸しになると、知らないうちにいきなり口座にお金が入金されている、と言う状態になります。または、先に電話が入ってから入金と言うこともあります。そして、他の闇金と同じで高い金利でもって返済を迫られます。

勝手にお金を振り込みしておいて、解約を申し出てもお金をもう振り込んだからと言って解約に応じるわけでもなく、高額な請求がされることになります。

しかも、つい魔が差したり気付かないでお金を使ってしまうと後が大変です。後ですぐ気付いたり考え直して、解約を申し出てもこれこそ解約はされないでしょう。

お金が口座に入ったかまだかで対応は変わる!まずは通帳をチェック

しかし、されるがままと言う訳にはいきません。ただし対応としては、この2つの場合で変わってきます。

  • まだ口座にお金が振り込まれていない場合
    まだお金が振り込まれる前だったならば、手間ですが、一旦口座を解約します。そうすれば、口座に入金できません。また、できれば口座解約のみでなく、携帯電話も番号を変えた方が安心です。
  • すでにお金を振り込まれてしまった場合
    すでにお金を振り込まれてしまった場合、まずは銀行に確認してみるのも一つの方法です。この段階で例えば単なる間違いによる振り込みか、押し貸しかもわかります。押し貸しならば、相手は「お金を貸した」と言うでしょう。

どちらにしても、早急に対応することは必要です。

押し貸し詐欺相手にやってはいけないこともある!気をつけることは

自分1人で対応することもそうなのですが、逆にやってはいけないこともあります。

避けるべき対応方法

  • 言いなりになってお金を返済してしまう
  • ただ無視をする
  • 振り込まれたお金を使ってしまう

闇金が相手だと、どうしても怖さから言いなりになってしまう人がいます。しかし、それではカモとされて、どんどんエスカレートしていきます。もっともっとお金が勝手に振り込まれてさらに多額の利息を請求されたり、解約の話ができたとして高額な手数料を取られることになりかねません。

よく闇金からの法外の金利で利息を請求されたような時は、元金も返さなくていいという話があります。だから無視をすればいいという意見もあります。

確かに法律的には、押し貸しで振り込まれたお金は返済する「義務」はありません。

しかし、無視をするという方法だけでは、到底抵抗しきれなくなります。

(警察を呼ばれる可能性があるので)実際に職場に出向くことはないようですが、職場にもしつこく電話がかかってくるなど、嫌がらせや悪質な取立てが行われるようになるからです。

そうなると仕事にも影響が出ますし、周りにも迷惑がかかることになりかねません。そう言う意味では実害があるので、電話だから無視すればいいということではすまなくなります。

また、口座をそのまま放置しておくのもよくありません。

下手をすれば、口座が「凍結」されてしまう可能性があるからです。と言うのは、最悪の場合、その口座が第三者である別の被害者の返済用として勝手に使われるなど、悪用される可能性もあるからです。

口座が凍結されると、弁護士などの専門家でも解除するのに手間や時間がかなりかかることになります。下手をすれば年単位で口座が使えなくなります。それ以上に、闇金の仲間だと判断されたら大変です。仲間と判断されたら逮捕される可能性も出てくるのです。

また、押し貸しでお金が勝手に振り込まれても、そのお金を使うということは絶対に避けましょう。

先に、闇金から貸し付けされた(入金された)お金は法律的に返す義務はないと説明しましたが、このことを知っていて敢えてお金を使ったとなれば、いわゆる被害者とは言えなくなってしまうからです。

その際に気をつけなければいけないのは、キャッシュカードでお金を下ろすばかりで記帳をしない人です。キャッシュカードばかり使って通帳を見ないと、それこそ気付かないでお金を使ってしまいかねません。

知らない内に入金されていて、気付かずに残高分のお金を使っても言い訳は通用しません。

押し貸し詐欺の被害に合いそうならば専門家に相談するのが一番!

また、押し貸しで入金されたお金を返すにしても、元金(振り込まれた金額)以上のお金を返済する必要はありません。元金以上の利息分を返せば、相手は調子にのり、同じ押し貸しを繰り返すことになってしまうからです。

そして、元金を返すにしても、やり方によっては相手(闇金側)が用心して返済先の口座を言わないこともあります。とはいえ、やはり放置していたら危険です。

そんな時は、「供託制度」を使うといいでしょう。

供託制度とは
所在が不明な場合や支払いの受け取り拒否などによって債務者が返済できない場合に、「供託所」にお金を預ける方法です。この方法ならば、債務者がお金を支払った状態とされるので、違法な取り立てが闇金からあっても、それ以上の返済の義務を負う必要がありません。
供託の手続き方法

供託所へ行く(法務局とその支所、法務大臣の指定する法務局の出張所)
※場所によって金銭の受入れの扱いの有無の違いがあるので注意

供託書の提出(書面は、供託所に設置)

審査(提出した書類を審査します)

供託金の提出
※対応していない窓口では、日本銀行または代理店に提出

供託書正本の交付
※郵送やオンライン申請も可

ただ、供託制度を利用する手続きの手間だったり、相手側(闇金側)の情報があまりにないと活用できない可能性もあります。そして、同時に恐れがあるでしょう。

押し貸し詐欺(闇金)に遭った時は、1人で解決せずに専門家に相談することをオススメします。

押し貸しに遭った時の相談先としてはこれらがあります。

押し貸しに遭った時の相談先

  • 警察に連絡を入れる。
  • 弁護士や司法書士に相談する
    (闇金対応専門が特にオススメ)
  • 消費者生活センターに相談する

特に早く連絡を入れないと、先に説明したように口座が悪用されて逆に犯罪者扱いになりかねません。押し貸しに気付いた段階で早く対応することがポイントです。

弁護士や司法書士の場合ですが、それぞれに得意分野があります。できれば専門家でも、闇金対応が得意だったり闇金対応の経験豊富な方にお願いすると安心です。

押し貸し詐欺以外にも闇金の手法はいろいろある!手口を知っておく

押し貸し詐欺について説明をしましたが、闇金と言われる悪徳業者の多くは、ただ金利を高くし取立てを厳しくするだけでなく、いろいろな手法を用いて個人からお金を騙し取っています。

違法業者が行っている手法

個人間融資 SNSなどを通し、個人間でお金の貸し借りをすること。
個人間でも何度も行うならば、貸金業の登録が必要。
闇金業者が個人を装って違法に高い金利で貸し付けを行うこともあり、また個人情報を流出されれば、悪用される危険がある。
090金融 勧誘チラシには携帯番号が記載されているところから言われる闇金。
業者名と携帯の電話番号しか名乗らず、違法に高い金利で融資をすること。
登録詐称業者 正規の貸金業者は貸金業者として登録番号があるのだが、闇金は、架空の登録番号を表示したり、他社の番号を勝手に使うなどして正規の業者を装うことがある。
紹介屋 一見低金利で貸し付けを行うように見せておきながら、個人の信用状態がよくないと理由をつけて貸し付けを行わず、他の闇金を紹介して紹介料を騙し取る闇金。
名義貸し 「お金を借りるアルバイト」と称し、本人に(その人の名前で)融資の申し込みをさせる。
その後、「後の返済はこちらで行う。」と言って、申込時に発行されたローンカードを回収する形で騙し取ること。
架空請求 使っていないアダルトサイトの使用料を請求したり、クレジット会社から依頼を受けたと言って、勝手に返済を迫ったりすること。
チケット金融 チケットを代金後払いということで販売し、購入したチケットを指定した金券ショップに持ち込んで現金化させる。
現金化した際の差額だけでなく、後で返済も迫ることで多くの手数料と利息と言う形で利益を得る。

他にも買取屋や、整理屋、家具リース金融等、いろいろな悪徳業者がいます。嘘の請求や嘘の手続きによって、本人の知らないうちに多額の借金をつくり、違法な利息のまま返済を無理やり迫ることが当たり前のように行われます。

いずれにしても、違法であることには違いありません。ただ、それでも相手の恫喝に恐れてつい不要な返済をしてしまう人もいます。しかし、1回支払うと、ずるずると次の請求がきます。

どんな方法だろうが、闇金(相手)の言いなりになることなく、困ったら早めに弁護士などの専門家に相談することが大切です。

どんな方法でも違法業者に捕まると大変!自衛を意識してお金を扱う

通常のカードローンの金利がただ高くなっただけの闇金もいますが、今は、違法な行為の種類も増え、複雑化しています。その為、気付かずにお金をむしり取られてしまう状況に追い込まれてしまうこともあります。

確かに闇金からお金を借りないのが一番なのですが、押し貸し詐欺のように、本人の承諾なしに勝手にお金を貸して、返済しろと言う悪徳業者もいます。

一度闇金に引っかかったら、なるべく早く対応できるようにするべく、例えば通帳はこまめに記帳するなど、自らが闇金に引っかからないよう気をつけていることが大切です。