住宅ローンを利用する際に知っておくべきである「審査基準」とは!

いつの時代も自身のマイホームを持つことに憧れ、かつ働いてお金を稼ぐうえでの目標とされている方は多いのではないでしょうか。

ただ、金額がからかなりの高額になるため、住宅ローンを利用する方が大半かと思いますが、その住宅ローンを申し込みする際には、金利は大事ですが、それ以上に大切なことが審査といえます。

実際に審査に通ることが出来なければ、金利の心配をしても意味がないため、この審査については良く知っておくべきです。

そこでここでは住宅ローンの審査基準をはじめ、審査関する情報についてご紹介して参ります。

審査の重要性とは

多くの方々は金融機関から借り入れを承認されているにも拘らず不安を抱えていると思いますが、その原因のひとつは「借りられる金額と返せる金額違う」という住宅ローンに関する知識によるものではないでしょうか。

しかし常識に照らし合わせて考えてみると、返して貰うことが出来ない金額を融資する金融機関はこの世の中には存在しません。

よって通常の金融機関は、貸したお金が返ってこない事態を心配しているため、資金回収が可能な金額を承認しています。

審査金利とは

金利が上昇した場合(返済最額が増加した場合)でも安心していただいて結構です、というのも金融機関側は住宅ローン審査で承認となったお客様はそんな場合でも返済可能と考えています。

現在大手銀行の変動金利の適用金利は0.775%ですが、この利率で審査すると少しの金利上昇でも遅延となってしまう可能性があります。

そのため住宅ローン審査の際は実際に使う金利ではなく、審査用の金利、いわゆる審査金利を用いています。

この審査金利というのは、住宅ローンのチラシにも、金融機関のホームページにも掲載されていないため、馴染みはありませんンが、金融機関は当たり前のように採用しています。

なお、審査金利は金融機関によって異なりますが、現在の金利水準であれば3.25%~4%程度となります。

この審査金利は適当に採用されているわけではなく、首都圏における大人2人+子供2人の4人家族の生活費・教育費などの統計を取り、その分析に基づいて「この割合までなら返済が可能」と算出されたものです。

審査金利が4%、変動金利の金利引き下げ幅が1.7%の金融機関であれば、現在の変動金利の金利引き下げ幅が1.7%の金融機関であれば、現在の変動金利の店頭金利2.475%から5.7%まで上昇しても返済が可能であろうと想定しています。

以前銀行を舞台にした「半沢直樹」というドラマが大ヒットしましたが、ドラマの中では半沢直樹と金融庁の人間と熾烈な戦いを繰り広げ、金融庁の人間は銀行が適正な融資をしているのかを厳しく問い詰めていました。

この事から分かるように、金融庁は各金融機関に適正な審査による融資を実施しているのかというチェックをしています。

もし、住宅ローン返済の滞るお客様が増加した場合、金融機関は金融庁から一定期間の業務停止といった処分を受けることになってしまいます。

さて、住宅ローンは金融機関にとって、比較的安定収益を獲得できる商品と考えられてきましたが、競争が激化した現在では薄利多売になっています。

ちなみに大手都市銀行の変動金利の変遷ですが、2013年の店頭金利は1999年~2005年までの店頭金利よりも0.1%高い2.475%ですが、実際に借主が使う金利は当時の半分程度の0.875%、0.775%といった水準となりますが、これは各金融機関の競争激化の影響といえます。

しかしながら、万が一住宅ローンを返せない顧客が増えたらどうなるかというと、貸した元金は回収できても、収入源である利息収入が途絶えます。

金融機関は、利息を受け取ることによって企業の活動を進めていくことが出来ますが、その利息は低下傾向となっています。

そのため、今の金融機関にとって、利息収入が途絶えるという事は死活問題になるので、資金回収できる金額を算定して貸し出さなければ、将来自らの体力を奪うことになってしまいます。

返済不能という事態は借主にとって重大ですが、貸した側からしても「審査体制の不備を指摘される」や「利息収入が途絶える」といった重大な問題になります。

このようなことを踏まえて考えると、借主本人の気持ちの問題は別として金融機関こそ返済不能という事態を避けたいと考えています。

しかし残念ながら、住宅ローンが支払えなくなるケースは一定量ありますが、低金利の今は将来の金利上昇よりも他の理由を探し、その対策を練ることの方が大切といわれています。

実際の金利と審査金利には乖離があるため、その面を具体的にみてみると、以下のようになります。

金利 4% 2.3% 0.775%
月返済額 177,109円 138,746円 108,768円
年間返済額 2,125,308円 1,664,952円 1,305,216円
4%との年間返済額差  ―  460,356円 820,092円

このように0.775%の変動金利で考えると、月の返済額は10万8,764円で6万8,341円の余力が生まれますが、金融機関はここまでの金利上昇には耐えられると考えています。

この6万8,341円は年間で82万円にもなり、これを繰上返済に活用すれば、定年までの完済や将来の金利上昇リスクの軽減につながります。

またマネー雑誌などで、変動金利にすればたくさん借りられるといったアドバイスを見ますが、審査では審査金利を使いますので融資額はどんな金利を使うかには左右されません。

融資実行時の金利を適用する金融機関が多いため、実際に返済の金利を決めるのは融資実行の少し前であり、融資額はそれよりも前に決まっています。

そもそも変動金利は途中で固定金利に変更できるので、どんな金利を使ってもいいように考えており、大手銀行などでも事前審査はインターネットでも可能となっていましたが、ホームページ上で入力する項目に金利はありません。

このことからも返済で使う金利と審査には関連性がないという事がわかります。

審査の手法とは

審査の手法も日々変化しており、以前は単純に商品要綱に照らして判定する「要綱審査」という方法が主流でしたが、近年では「リスク軽量化モデル審査」を採用する金融機関、いわゆる保証会社が増えてきました。

そのリスク軽量化モデル審査とは、勤務先が公務員や上場企業という場合は、多めに貸しても良いという加点、自営業者の場合はあまり貸しては危険という減点で、また勤続年数が長ければ加点、短ければ減点といったように借主の属性を細かく加点及び減点を行って融資額を決める手法になります。

例えば、勤続年数は2年以上という規定が良く見受けられますが、勤務年数が1年程度の場合、要綱審査では単純に審査に通らないことになりますが、リスク軽量化モデルでは、転職先の情報も考慮してくれます。

最近でいえば、ステップアップを目指した前向きな転職をする方もいるので、勤続年数は短いけれども、大きな会社に転職し、年収も上がっている場合は融資可能と判断されることがあります。

ちなみに家は早く買った方が良いといわれていますが、審査面でもその影響があり、住宅ローンの実行年齢が40歳以上になると、定年後の返済計画を聞かれることがあります。

住宅ローンの実際の返済年数は平均20年程度なので、60歳以降の返済の見込みが、審査に影響を及ぼすという事です。

会社に勤めている方であれば、退職金や再雇用制度、その他資の現金や有価証券、不動産などの資産、家賃収入、年金によって返済の見込みが立てば、プラスに作用します。

また年収が高く、返済比率に余裕があるという場合には、それまでに返済の目途が立つので、やはり審査においては有利になります。

最近の審査事情とは

金融機関によっては、申込書だけで読み取ることのできない情報について、別途に「意見書」という書類を添付することにより、プラス材料の判断を仰ぎます。

例えば、両親の資産背景や資金援助状況、配偶者の収入の有無、定年退職金の見込みや保有資格、ステップアップ転職た否かといった借主の要素を追加で報告することによって審査を有利に進めることもあります。

どちらが分かりやすいと言えば、要綱審査の方に軍配が上がりますが、柔軟性という面から考えれば、リスク軽量化モデル審査が有利になります。

また返済比率も金融機関によって若干異なりますし、なかなか表には出ませんが、このハウスメーカーのお客様はきちんと返済しているという過去の実績から、どの会社の物件か?によってもお客様に有利に働くこともあります。

このように審査については、やり方次第で融資の可否から増減まで変化してきているというのが最近の審査事情となります。

如何でしたでしょうか、住宅ローンの審査について述べて参りましたが、皆様にも是非参考にして頂き、うまく住宅ローンを利用して、憧れのマイホームを手に入れてください!