お金を借りるキャッシングでは、申し込み先を検討するのに金利は重要な判断材料になります。誰だって利息をなるべく少なく払いたいので、金利の低いところを選ぶからです。
それを証明するかのようにネットを中心に、キャッシング関係では低金利のところを紹介する情報がたくさんあります。
しかし、金利の低いところが本当にいいのでしょうか。また、実際にお金を借りるのに低金利の貸金業者からの借り入れは可能なのでしょうか。もし、低金利で借りられなければどうすればいいのでしょうか。考えてみます。
お金が必要でキャッシング先を探す時、まずほとんどの人が金利の低いところを探して選びます。もちろん審査があるので、いくら金利が低いと言っても審査に通る可能性が少ないところは選ばないでしょうが、それでもなるべく金利の低いところを考えるでしょう。
しかし、実際に各カードローンの金利では数字に幅があるのがわかります。
各金融機関が扱っているカードローンの金利を限度額も合わせて比較してみると、このようになっています。
金融機関名 カードローン名 |
金利 | 限度額 |
---|---|---|
プロミス | 4.5~17.8% | 500万円 |
アイフル (キャッシングローン) |
3.0~18.0% | 800万円 |
アコム | 3.0~18.0% | 800万円 |
SMBCモビット | 3.0~18.0% | 800万円 |
レイクALSA | 4.5~18.0% | 500万円 |
J.Score(ジェイ・スコア) スコアレンディング |
0.8~12.0% | 1,000万円 |
みずほ銀行カードローン | 2.0~14.0% | 800万円 |
三菱UFJ銀行カードローン バンクイック |
1.8~14.6% | 500万円 |
三井住友銀行カードローン | 4.0~14.5% | 800万円 |
りそな銀行りそなカードローン | 3.5~12.475% | 800万円 |
住信SBIネット銀行 MR。カードローン |
プレミアムコース 1.59~7.99% スタンダードコース 8.99~14.79% |
プレミアムコース 1,200万円 スタンダードコース 300万円 |
じぶん銀行カードローン | 2.2~17.5% | 800万円 |
ジャパンネット銀行 ネットキャッシング |
2.5~18% | 1,000万円 |
楽天銀行スーパーローン | 1.9~14.5% | 800万円 |
ソニー銀行カードローン | 2.5~13.8% | 800万円 |
よく知られていることでは、消費者金融よりも銀行の方が金利が低いとされていますが、銀行でもネット銀行(ここで言えば住信SBIネット銀行より下に記載されている銀行)の方が、さらに金利が低いと言われることが多いようです。
実際にこうやって比較してみると、全てがそうとは言えないのが実情でしょう。ただ、消費者金融だろうと銀行だろうとどれも数字に幅があります。数字の低い方を下限金利、高い方を上限金利と呼んでいます。
では、比較するに当たって上限金利と下限金利のどちらをみればいいのかと言う点ですが、つい低い数字を見てしまいがちになるでしょう。
しかし、実際にお金を借りる時には、その多くがここで言えば上限金利とされる大きな数字の方の金利になることがほとんどです。
詳しくは後で説明しますが、金利を比較検討する時は、上限金利の方で考えるようにしておきます。
上限金利もこうやって見ると、消費者金融の方が高く感じるかもしれません。今はコマーシャルの影響で怪しいイメージは減ったものの、それでも消費者金融に対して返済時は必要以上にお金を取られるのではないかと、闇金にあるような悪い印象をまだ持っている人もいるかもしれません。
確かにまだまだ闇金自体は存在しますし、闇金に引っかかる人もいます。止むに止まれず闇金からお金を借りる人がいるのも確かです。
しかし、コマーシャルで見るような今は大手と言われる消費者金融や、街の片隅にあるような小さな街金と言われる(街金=闇金ではありません。)消費者金融でも法律に定められた上限金利を守ってお金の貸し付けを行っています。
金利を定める法律として利息制限法と出資法とあるのですが、その違いは民法と刑法というくくりで考えるとわかりやすいかもしれません。罰則の有無が関わってきます。
細かく覚えなくとも、法律で定められている上限金利を知っておくだけでも闇金に引っかからずにすみます。
利息制限法で決められている上限金利
借入額(融資限度額) | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年率20% |
10万円超~100万円未満 | 年率18% |
100万円以上 | 年率15% |
これを見ると、各カードローンの金利がどうなっているのか、わかりやすいでしょう。正規の業者はこれを守っていますので、これを超える金利のところからは借りないようにしましょう。
少し話がそれますが、ここでは金利と表記して一覧で記載していますが、消費者金融では各カードローンやキャッシング商品説明の金利の欄には、「実質年率」となっています。
実際にお金を融資する際には、事務手数料などの経費がかかってきます。それらの諸経費は、別途請求されるのではなく返済の際、利息にその経費分も一緒に含まれている形になっています。それを実質年率ということで表しているのです。
それぞれのカードローンの金利は上限金利と下限金利があるのがわかったでしょうが、他のカードローンと比較したり実際に借り入れを検討する際に、なぜ上限金利の方を見た方がいいのか、疑問に思うかもしれません。
金利比較の一覧にも載せたのですが、カードローンには融資の限度額があります。これが金利に関係しています。
消費者金融ではこまかい金利設定が不明なのですが、銀行の多くは限度額で金利設定が細かくされていることがホームページでも記載されています。一例としてあげると、りそな銀行のりそなカードローンはこのように細分化されています。
りそなカードローンの金利
限度額 | 金利(年利) |
---|---|
10万円~70万円型 | 12.475% |
100万円~150万円型 | 11.500% |
200万円型 | 9.000% |
300万円型 | 7.000% |
400万円型 | 5.500% |
500万円型 | 4.900% |
600万円型 | 4.500% |
700万円型 | 4.000% |
800万円型 | 3.500% |
低い金利になろうとすると、逆に高い限度額での借り入れでなければいけないことになります。
これは、数字そのものは違っても他行も同じように限度額が上がれば低金利になっています。
「ならば、高い限度額でお金を借りればいいではないか。」と考える人もいるかもしれませんが、実際には最初からいきなり500万円や800万円の限度額での借り入れができることは、まずできません。
カードローンでお金が借りられる限度額は、最初の場合は特に少額から始まることが常だからです。もちろん希望額との兼ね合いもありますし、審査により判断されるので絶対と言う訳ではありません。
事情により大金が必要で返す目処もあるなど、ケースによってはある程度の金額は借りられるかもしれませんが、それでもいきなり下限金利になる限度額いっぱいにあたる500万円や800万円借りられることはまずありません。
審査によりますが、最初は一般的には30万円程度、多くても50万円までになることが多いようです。特に消費者金融では、それ以上の金額になると所得を証明する書類の提出も必要になるなど、手間や時間がかかることになります。
最初は、審査とは別に顧客がどのような人か、返済を遅れなくできる人かを判断する時間も必要です。その為、少額から融資をし、それに伴い金利も上限金利から始まることになります。
これらの点から、最終的に下限金利に近づくとしても、しばらくは上限金利での借り入れになる為、いくつかのカードローンを検討する際には、下限金利ではなく上限金利を比較する必要が出てきます。
借り入れ後、その利用頻度や返済の様子で限度額が増額されていきます。それこそ100万円を超えたりすれば、それに伴い金利も低くなっていきます。
低金利の借り入れを目指すならば、最初は上限金利であろうと増額になるようにしっかりとそのカードローンを利用し続けることは大切です。もちろん、延滞はご法度です。
では実際に比較してみたらどうなのか。上限金利で比較してみると、銀行の方の金利はだいたい14%程度となっています。対して消費者金融の方は18%程度になり、どちらが低い金利で借りられるのかを考えた時、当然、銀行カードローンの方が低い金利、そして少ない利息ですむことがわかります。
と言うことは、金利面で言えば、消費者金融よりも銀行の方がカードローンとしてはオススメなのは確かです。
例えば、同じ30万円借りたとしても金利が違うだけで、返済に伴う利息はこれだけ違います。消費者金融のシミレーションを使い、返済回数は2年の24回で試算してみます。
借入額:30万円・返済回数:24回で各金利で利息を比較した場合
金利 | 1回の返済額 | 利息総額 |
---|---|---|
18.0% | 14,977円 | 59,441円 |
15.0% | 14,545円 | 49,098円 |
7.7% | 13,527円 | 24,641円 |
18.0%と15.0%の場合、金利3%の差は大したことがない印象かもしれませんが、それでもこのシミレーションでは約10,000円近くの差がでます。7.7%とも比較してみるとわかるように、もっと金利が変われば利息が大きく変わってきます。こうやって見るとやはり金利の差は大きいと言えます。
しかし、現実にはそうそう上手くいかないもので、カードローン商品全体として見た場合は、必ずしも低金利の商品が良いとは限りません。
いろいろな面でカードローンごとの違いはありますが、特に大きいポイントとしては、対応スピードの早さでしょう。今は、銀行カードローンは即日融資が当然のようにできません。対して、消費者金融はまだまだ即日融資を謳っているところもたくさんあります。
他にも申込方法が多様になり、WEB完結やアプリを使った方法もあります。返済も1つの方法だけではありません。このような様々な面からどのカードローンがいいのか考える必要はあるのですが、最終的にどこからキャッシングするのがいいのか、判断は人それぞれでしょう。
最終的な判断として、すぐにでもお金が必要だからと消費者金融から借り入れすることが決まれば、金利の面では確かにメリット部分は少ないでしょう。利息はどうしても大きく膨らんでしまう可能性があります。
しかし、必ずしも金利が高いカードローンの全てが、利息が大きく膨らむとは限りません。金利が高かろうと、それなりに対策はあります。
それ以前に、(話が先の低金利を進める場合と違ってみえますが)金利が低いから必ずしも利息が少ないとも限りません。
もちろん同じ返済額に同じだけ返済期間がかかるならば、当然金利は低い方がいいのは先に18.0%と15.0%と7.7%で比較した表の通りです。
しかし例えば、「金利が低い分、毎月の負担を減らしても大丈夫だろう。」と考えて返済額を少なくすると、逆に利息が大きく膨らむことに繋がります。先と同じように30万円の借り入れで、返済額を変えて比較してみます。
金利 | 1回の返済額 | 返済回数 | 利息 |
---|---|---|---|
18.0% | 20,000円 | 18回 | 42,404円 |
15.0% | 10,000円 | 38回 | 78,331円 |
7.7% | 5,000円 | 76回 | 79,970円 |
金利が低い方がいいに越したことはないのですが、それに甘んじて毎回の返済額を少額にすると大きな落とし穴に落ちることに繋がるので、よく考えて返済額を決める必要があります。
金利が低くても気をつけなければいけない点を先に説明しましたが、その点に気をつければ、やはり金利が低い方が利息の支払いがすくなくすみます。とはいえ、最初から低い金利にすることは難しいことも伝えました。
少しでも金利が下がった方が、利息の負担が減るのは確かです。最初は高いとしても、それでも少しでも金利が下がる方法があれば、それを活用するようにしたいものです。
銀行の中では、金利の優遇措置を行っているところもあります。
これを活用しない手はありません。
金融機関・カードローン | 金利優遇サービスの内容 |
---|---|
じぶん銀行 カードローン |
auユーザー対象で最大年0.5%金利優遇あり |
みずほ銀行 カードローン |
みずほ銀行の住宅ローン利用で、0.5%金利優遇あり |
りそな銀行 りそなカードローン |
住宅ローンや給与振り込みの利用で0.5%の金利特典あり |
住信SBIネット銀行 MR。カードローン |
証券口座保有や住宅ローン等、条件によって最大0.6%の金利優遇あり |
ここにあげたのは一例ですが、他にもありますし、例えば金利優遇とは少し違いますが、楽天銀行スーパーローンの場合、楽天会員のランクに応じて審査が優遇されたり、ポイントがつくこともあります。(必ずしもとは限りません。)
他にもJ.Scoreは、みずほ銀行、ソフトバンクまたはワイモバイル、そしてYahoo!JAPANとの情報連携を行った場合には、金利が0.1%下がるとされている為(最大0.3%)、Yahooやソフトバンクの利用者にはかなりお得な商品と言えます。
どれにしてもこうやって見ると、金利優遇は銀行により、住宅ローンなどの他の金融商品の利用や、金融商品でなくとも利用することで金利が下がることが多いようです。
もし、家を建てることを検討していたり、金融を含む関係会社の商品の利用を考えているのならば、優遇措置を受けられる可能性が高いです。
金利の優遇措置は主に銀行になるのですが、では、消費者金融では何か方法はないのか、思ってしまうかもしれません。
消費者金融の場合は、金利を下げるのとは少し違いますが、大手を中心に無利息期間サービスを設けているところが多く、この期間に少しでも返済をすればその分の利息は払わずにすみ、また元金も少しでも減らせることができます。
この無利息期間を上手に活用すると、返済自体がその無利息期間に終わらなくても最終的な利息を大きく減らすことができます。無利息サービス期間を設けている金融機関はいくつかあります。
消費者金融も大手だけでなく中小規模のものも入れてみました。また、銀行カードローンでも無利息期間サービスを設けているところもあります。地域の銀行等を探せば、まだまだ出てくるでしょう。
その多くは、30日間無利息のサービスとなっていますが、気をつけなければいけないのは、借入日からのものもありますが契約日から数えるパターンが多く、またそれぞれで細かな条件がついているところもあります。
他に特徴的なサービスとして、ノーローンの場合は、無利息サービス期間が1週間と短いかわりに、完済すれば何度でも使えるサービスになっています。どちらにしても、先に説明した通り細かな条件等があるので、内容をよく確認しましょう。
ノーローンと違って、無利息サービスも多くは初回のみとなっていることが多く、ではその後は利息を減らす方法はないのかと言えば、やはり金利が低くなくても利息を減らす方法はあります。この場合は、無利息サービスの有無に関係なしにどのカードローン商品でもできる方法です。
任意返済と言って、毎月(毎回)の返済時以外にも返済を行うことです。随時返済ともいいます。要は、臨時収入やボーナスなど、まとまったお金が手に入った時に任意に返済をすることです。
ただし、任意返済を行っても、その月も毎月ごとの返済が無くなる訳ではないので、注意しないと毎月の返済が延滞になる可能性があるので注意は必要です。
基本的にキャッシングでの返済は毎月行われることもあり、金利が低めとなっているカードローン商品で借り入れする方が利息の負担は少なくなります。
いきなり下限金利での借り入れは無理でしょうが、それでも少しでも金利の低いカードローンでの借り入れをオススメします。特に銀行カードローンは、上限金利で見ても、消費者金融よりも金利が低くなっています。
しかし、低い金利で借り入れが可能となっても、毎月の返済額によっては返済期間が延び、総額的に利息が増えてしまうこともあるので注意が必要です。
逆に低い金利でのキャッシングはできなかったとしても、無利息サービスや任意返済を活用することで高い金利でも利息を減らすことは可能なので、ちょっと工夫は必要かもしれませんが、やってみる価値はあります。