銀行・消費者金融・カード会社の「ビジネスローン」を徹底調査

「ビジネスローン」とはどんなものか、そして「ビジネスローン」と「カードローン」などの「フリーローン」との違いは何なのかについて説明します。

人気の「カードローン」を取り扱っている銀行と消費者金融の「ビジネスローン」について説明し、その詳細についていくつかのところを紹介しましょう。また、人気の「クレジットカード」を取り扱っているカード会社の「ビジネスローン」について同様に説明といくつかのところの詳細について紹介をします。

最後にまとめとして、「ビジネスローン」の特徴やメリット・デメリットについて説明をしていきます。

「ビジネスローン」はアナタの事業を応援してくれる!!

「ビジネスローン」というのは「事業者ローン」とも言って、事業を行なっている人だけを対象とする金融商品のことです。通常は企業経営などの事業者に対する融資は銀行の得意とするところですが、「ビジネスローン」は消費者金融やカード会社などの”ノンバンク”と呼ばれる金融機関でも取り扱っています。

事業をうまく回転させようとする場合、そこには多額の運転資金や設備資金が必要となってきます。そんな時にその必要資金を融通するのが、「ビジネスローン」という訳なのです。

「ビジネスローン」の呼び名は「事業者ローン」の他にも、「事業性ローン」・「事業ローン」・「自営業ローン」・「商工ローン」・「法人ローン」・「法人カードローン」・「ビジネスカードローン」等々…様々あります。これには特に正式に決められたものは無く、当商品を取り扱っているところが自由に名付けています。

「ビジネスローン」の対象者は「個人事業者(自営業者)」と「法人経営者」で、元々は中小零細企業向けとして銀行が開発したローン商品でした。銀行には「プロパー融資」や「信用保証協会の保証付融資」がありますが、「プロパー融資」しか無かった頃には優勝零細企業への融資はとてもリスクの高いものだったのです。

そこで銀行が考え出したのが、高金利をベースにして融資のための審査を緩和した、中小零細企業でも借りられる「ビジネスローン」の開発でした。この商品が所謂「信用保証協会の保証付融資」にあたり、現在では銀行だけでなくノンバンクの消費者金融やカード会社でも取り扱うようになっています。

「ビジネスローン」と銀行の融資には次のような相違点があります。そこを理解した上で、上手にこのローンを活用するのが良いでしょう。

項目 ビジネスローン 銀行の融資
提供元 銀行・消費者金融・カード会社 銀行
第三者保証 不要 信用保証協会などの保証人が必要。
担保 不要 状況によっては必要。
融資期間 1~10年位 1~20年位
金利(年率) 5.0%~15.0%位 1.0%~5.0%位
融資までのスピード 即日~1週間位 3週間~2ヵ月位
創業融資 ほとんど不可 信用保証協会の「創業融資制度」なら可能。
資金使途 自由 契約内容による。

こんなところが違う「ビジネスローン」と「フリーローン」

「ビジネスローン」と似て非なるものとして、「カードローン」或いは「フリーローン」と呼ばれるものがあります。こちらは、融資対象を一般の個人を対象としたもので、原則として資金使途は自由ですが、事業目的・投資・ギャンブルへの使用はできないのです。

「ビジネスローン」と「フリーローン」には、次のような違いがあるのです。

項目 ビジネスローン フリーローン
カードローン
利用目的 事業性資金
・事務所家賃・光熱費
・取引先への支払代金
・従業員の給与 等
事業性資金以外
・自宅家賃・光熱費
・食費
・ショッピング費用 等
審査内容 ・事業者の基本的ステータス
・事業者の信用情報
・事業内容
・業績 等
・申込者本人の基本的ステータス
・申込者本人の信用情報
・申込者本人の年収
・申込者本人の雇用形態 等
金利 銀行系:5%~10%前後
ノンバンク系:10%~15%前後
銀行:13%~15%前後
消費者金融:18%前後
限度額 億単位の可能性
※総量規制の対象外
最大1000万円程度
※総量規制対象(銀行除く)

「ビジネスローン」と「フリーローン」の最大の違いは、総量規制の対象かどうかというところです。

「フリーローン/カードローン」では、銀行などの例外はあるものの、消費者金融などでは年収の1/3までしか貸付けできないとうい総量規制によって限度額に上限があります。それに対して「ビジネスローン」では、銀行以外においても総量規制対象外となるので、基本的に限度額に上限は無いようなものなのです。

人気の「カードローン」がある銀行の「ビジネスローン」のステキ!

銀行の「ビジネスローン」は、通常取引している銀行があるのであれば、通常の融資で対応してもらえない時にスムーズにそちらに移行できそうだというところが素敵で便利です。

人気の「カードローン」を取り扱っている銀行では、それに似た「ビジネスローン」についても充分に期待が持てるところです。そんな銀行の人気の「カードローン」と「ビジネスローン」を一覧にしてみました。

銀行 カードローン ビジネスローン
三井住友銀行 三井住友銀行
カードローン
中小企業向け融資
ビジネスセレクトローン
三菱UFJ銀行 カードローン
「バンクイック」
ビジネスローン
「融活力」
みずほ銀行 みずほ銀行
カードローン
信用保証協会保証付貸出
楽天銀行 楽天銀行
スーパーローン
楽天銀行
ビジネスローン

上記以外にも、地方銀行に目を向ければ、以下のとおりたくさん銀行で「ビジネスローン」が存在しています。但し、北海道に本社を持つ銀行では、「ビジネスローン」の取扱は無いようです。

東北では、みちのく銀行(青森県)・岩手銀行・東北銀行(岩手県)・北日本銀行(岩手県)・秋田銀行・北都銀行(秋田県)・七十七銀行(宮城県)・仙台銀行(宮城県)・山形銀行・荘内銀行(山形県)・福島銀行の各行です。

関東では、常陽銀行(茨城県)・筑波銀行(茨城県)・足利銀行(栃木県)・東和銀行(群馬県)・武蔵野銀行(埼玉県)・千葉銀行・千葉興業銀行・京葉銀行(千葉県)・東京都民銀行・東京スター銀行・きらぼし銀行(東京都)・東日本銀行(東京都)・神奈川銀行・横浜銀行(神奈川県)の各行です。

中部では、山梨中央銀行・長野銀行・八十二銀行(長野県)・第四銀行(新潟県)・北越銀行(新潟県)大光銀行(新潟県)・富山銀行・福井銀行・福邦銀行(福井県)・静岡銀行・静岡中央銀行・スルガ銀行(静岡県)・愛知銀行・名古屋銀行(愛知県)・中京銀行(愛知県)・大垣共立銀行(岐阜県)・三重銀行・第三銀行(三重県)の各行です。

近畿では、近畿大阪銀行・関西アーバン銀行(大阪府)・みなと銀行(兵庫県)・の各行です。

中国では、鳥取銀行・島根銀行・山陰合同銀行(島根県)・トマト銀行(岡山県)・広島銀行・もみじ銀行(広島県)・山口銀行・西京銀行(山口県)の各行です。

四国では、香川銀行・愛媛銀行・伊予銀行(愛媛県)・徳島銀行・阿波銀行(徳島県)・四国銀行(高知県)の各行です。

九州・沖縄では、福岡銀行・福岡中央銀行・北九州銀行(福岡県)・佐賀共栄銀行・長崎銀行・十八銀行(長崎県)・大分銀行・豊和銀行(大分県)・宮崎銀行・宮崎太陽銀行・鹿児島銀行・南日本銀行(鹿児島県)・沖縄銀行・沖縄海邦銀行・琉球銀行(沖縄県)の各行です。

銀行の「ビジネスローン」にはこんなものがアル!

三井住友銀行のビジネスローン「中小企業向け融資ビジネスセレクトローン」は、”世界に、たったひとりの経営者へ”として、スピード回答・ワイドな融資・無担保と第三者保証不要の3つを柱としています。

このローンを利用するには業歴が2年以上の法人で、三井三菱銀行の取引窓口(エリア・法人営業部・支店)で取引ができる地域にあることが条件となっています。また、最新の決算期で債務超過していないことと、融資の申込み時点で税金の未納が無いということが必須となります。

三井住友銀行の「中小企業向け融資ビジネスセレクトローン」の融資条件は、以下のとおりとなります。

項目 内容
資金使途 ・運転資金
・設備資金
・決算資金
・貸与資金
借入金額 1億円以内
借入期間 最長7年
※据置期間の設定可
借入利率 2.125%~
※審査結果に応じて設定
担保 不要
※有担保で借入金額最大3億円
保証人 第三者保証不要
※代表取締役全員の連帯保証は必要

みずほ銀行のビジネスローン「信用保証協会保証付貸出」には、次のような4つのメリットがあります。

  • 長期融資(原則10年以内)
  • 借入枠の拡大(一般融資との併用)
  • 利率(制度融資による可能性)
  • 登録免許税軽減措置

信用保証協会に直接担保を提供すると、登録免許税が通常の4/1000から1.5/1000に軽減されます。この措置は、2021年3月31日までの適用となります。

「楽天銀行ビジネスローン」の商品概要は、以下のとおりです。

項目 内容
申込み方法 インターネット
資金使途 運転資金
借入金額 100万円以上1億円以下
※10万円単位
担保・保証人 原則必要
※経営者もしくは実質的支配者の保証が必要

銀行のビジネスローンを見てみると、各行毎の特徴の違いが大きく、詳細については通常取引のあるところで相談しながら融資を受けると良いでしょう。

人気の消費者金融の「ビジネスローン」もまたステキ!

消費者金融の「ビジネスローン」は、何と言っても銀行に比べて審査基準が甘めという感じで、その時間も比較的短いというのが素敵なところです。

人気の「カードローン」・「フリーローン」を取り扱っている消費者金融での「ビジネスローン」を一覧にしてみました。

消費者金融 ビジネスローン
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
(ブランド名:プロミス)
自営者カードローン
アコム株式会社 ビジネスサポートカードローン
アイフル株式会社 無し
※グループ会社「ビジネクスト株式会社」有り。
ビジネクスト株式会社 事業者ローン

この他、所謂「消費者金融」ではありませんが、ビジネスローンについて調べていると見つけることができる、事業者金融の「株式会社ビジネスパートナー」の「スモールビジネスローン」というものもあります。

消費者金融の「ビジネスローン」にはこんなものがアル!

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(ブランド名:プロミス)の「自営者カードローン」は、利用限度額が最大で300万円までとなる、自営業者を応援するビジネスローンです。その特長には、次のような3つのポイントがあります。

  • スピード審査
  • プライベートな資金使途可能
  • 利用限度内での出し入れ自由

プロミスの「自営者カードローン」は申込時間が間に合えば当日中での融資も可能で、その資金は事業に限らずプライベートなこと(生計費)にも利用できます。そして、全国にあるプロミスや提携先のATMで利用限度の範囲ならば自由に出し入れできるのです。

借入利率は実質年率で6.3%~17.8%で、遅延利率は20.0%、返済は最長で6年9か月で1回から80回かけて行います。担保や保証人は不要で、20才から65才までの自営業の人が対象となります。

アコム株式会社の「ビジネスサポートカードローン」もまた利用限度額は300万円となっていて、個人事業主のサポートを行なっています。そこには、次のような4つのポイントがあります。

  • 年収の3分の1を超える借入可能
  • 一般のカードローンからの切り替え可能
  • 即日利用可能
  • 利用限度内での繰り返し利用可能

貸付け利率は実質年率で12.0%~18.0%(100万円以上は最大15.0%)で、遅延損害金は年率20.0%、返済は最長で8年7か月で1回から89回かけて行います。担保や連帯保証人は不要で、業歴1年以上の個人事業主でアコムの基準を満たす人が対象となります。

アイフル株式会社のグループ会社「ビジネクスト株式会社」の「事業者ローン」には次にしめすような4つのメリットがあり、融資額は1万円~1千万円(新規は上限5百万円)、契約利率(実質年率)は100万円以上で8.0%~15.0%、100万円未満で13.0%~18.0%です。

  • 年会費・保証料無料
  • 保証人・担保原則不要
  • 使用用途自由(事業資金範囲内)
  • 来店不要

このビジネスローンの融資対象者は法人または個人事業主で、申込み時に満20歳から満69歳までの人が申し込むことができます。返済は最長5年で60回以内で行ない、契約時には締結費用として印紙代が実費としてかかります。

株式会社ビジネスパートナーの「スモールビジネスローン」には、次のような7つのメリットがあります。融資限度額は50万円から5百万円、利息は実質年率で9.98%~18.0%で、遅延損害金は20.0%です。

  • 原則無担保保証
  • 追加融資は10万円から可能
  • 原則来店不要
  • 資金使途自由(事業資金範囲内)
  • 手数料不要
  • マイページからいつでも利用状況の確認可能
  • 24時間利用可能
本来個人向けのキャッシングを取り扱うのが消費者金融なので、事業者向けの貸付というのはあまり目立ってはいません。中には「アイフル」のように自社ではビジネスローンを取り扱わずに、事業者向けの融資をメインとするグループ会社にその事業を任せているところもあります。

人気の「クレジットカード」があるカード会社の「ビジネスローン」

「ビジネスローン」は、クレジットカードを扱っているカード会社でも取り扱っているところが多くあります。以下に主なカード会社とそのクレジットカード、及びビジネスローンについて一覧にしてみました。

カード会社 クレジットカード ビジネスローン
オリックス・クレジット株式会社 VIPローンカード VIPローンカード BUSINESS
株式会社オリエントコーポレーション オリコカード ・オリコビジネスサポートプラン
・CREST for Biz
株式会社ジェーシービー JCBカード JCB Businessloan
(ジェーシービー ビジネスローン)
株式会社クレディセゾン ・セゾンカード
・UCカード
不動産担保ローン
ライフカード株式会社 ライフカード ライフローンカードビジネス

カード会社の「ビジネスローン」は、普段からクレジットカードに慣れ親しんでいるというところがあって、銀行や消費者金融のものとくらべて抵抗が少ないところが特徴になっています。

カード会社の「ビジネスローン」にはこんなものがアル!

オリックス・クレジット株式会社のビジネスローン「VIPローンカード BUSINESS」は業歴1年以上の個人事業主と法人を対象とし、実質年率6.0%~17.8%、契約枠は最高500万円、WEB完結で最短即日融資が可能です。

株式会社オリエントコーポレーションのビジネスローン「オリコビジネスサポートプラン」はオリコ加盟店及びオリコクレジット利用の事業主を対象とし、融資額は最高1千万円の証書型、貸付利率は6.0%~15.0%(新規申込は最低8.4%)です。

また、「CREST for Biz」は個人事業主専用カードローンで、入会と同時に借入金利を最大2.0%優遇し、利用可能枠は最高300万円、貸付利率は実質年率で6.0%~18.0%、総量規制例外貸付商品で、返済は2つのコースから選ぶことができます。

株式会社ジェーシービーのビジネスローン「JCB Businessloan(ジェーシービー ビジネスローン)」は、法人代表者と個人事業主を対象とし、利用可能枠として5百万円・3百万円・百万円の3コースがあり、貸付金利は15.00%(うるう年は14.95%)です。これは、オリックス・クレジット株式会社と業務提携しています。

株式会社クレディセゾンの「不動産担保ローン」の内、「その他事業用資金融資」がビジネスローンになります。融資額は100万円~1億円、実質年率5.0%~15.0%、個人事業主と法人(営業年数不問)を対象とし、運転資金・設備投資資金・新規事業資金などに使用できます。

ライフカード株式会社のビジネスローン「ライフローンカードビジネス」は、法人を対象とし、契約限度額は1万円~300万円、貸付利率は実質年率で7.8%~18.0%、遅延損害金は20.0%になります。返済は1~82ヵ月の1~82回払いで、担保を不要ですが原則として代表者による連帯保証が必要となります。

「ビジネスローン」の特徴・メリット・デメリット

「ビジネスローン」には、次のような3つの特徴があります。

  • 総量規制の対象外
  • 点数付けして審査
  • 担保・保証人不要の場合が多い。

「ビジネスローン」の最大の特徴は、”総量規制”の対象外だというところでしょう。

貸金業者による個人に対する一般的なキャッシングは、その個人の年収の3分の1に融資額を制限する”総量規制”の対象となります。しかし、「ビジネスローン」となるとこの規制がかからなくなるため、「カードローン」・「フリーローン」よりも高額の融資を受けられる可能性があります。

但し、個人事業者が「ビジネスローン」を利用する前に「カードローン」や「フリーローン」などでキャッシングをしていたり、過去の返済で問題を起こしたりしていると、その情報は信用情報機関を通して金融機関に知られることになるので、いくら”総量規制対象外”とは言っても、「ビジネスローン」の融資額に影響はするのです。

「ビジネスローン」のメリットをまとめると、次のようなものと考えられます。

  • スピーディーな審査
  • 担保不要
  • 保証人不要
  • 振込融資可能

逆に、「ビジネスローン」のデメリットは次のようなものと考えられます。

  • 高金利
  • ビジネス関連の書類必要
  • 個別交渉不可
  • 資金使途限定(ビジネス用)

「ビジネスローン」のメリット・デメリットは、共に至極当然のところもあります。「ビジネスローン」を利用する場合には、銀行の一般的な融資やカードローン、消費者金融などのカードローンやフリーローンなどと比較し、自分の状況との兼ね合いで、充分に吟味しながら適当なところを選びましょう。